驚くべき馬肉料理専門店である。様々なスタイルで調理された素晴らしい風味の桜肉がこの店では堪能できる。店内は絶えず活気に満ちており、ドリンクメニューも充実の内容だ。価格設定もクオリティを考慮すると、とてもリーズナブルと言える。
看板メニューの馬刺し、桜肉の炙り焼き、桜鍋はどれもトライする価値があるが、炙った桜肉は、この肉特有の多彩な味わいを最も楽しむことができるはずだ。馬のハラミは脂がのっており、何とも美味。最高級の牛肉に匹敵する味である。濃厚な風味の自家製馬肉ソーセージと桜ベーコンは、豚肉に近いテイストだが、よりパワフルなインパクトがある。つくねは少々しつこく、クセのある味だが一度は食べてみる価値があるだろう。桜肉の炙り料理各種は山盛りのルッコラと共に大皿で供される。居酒屋で頻繁に遭遇するキャベツやレタスの付け合わせよりも遥かに気がきいたサービスである。
前菜は、様々な部位が食べ比べられる馬刺しの盛り合わせがお薦めだ(どれも柔らかくて美味)。今回、我々は桜鍋でディナーを終えることにした(非常に財布に優しい選択だ)。この日の食事の前半ではあまり食べる機会がなかった野菜(それでも、桜ベーコンを使った絶品のシーザーサラダは食べていたのだが...)が桜鍋にはふんだんに使用される。また、桜肉を使用していない、数少ないメニューの一つであるさつま揚げも秀逸な出来映えだ。ふんわり、そして、しっとりとした食感とあまり脂っぽくない風味は大いに好感が持てる。
九州の名物料理が看板メニューであることからも察せられるように、この店の焼酎の品揃えは、とても充実している。だが、日本酒のセレクションも非常にユニークだ。アンティークの家具、馬がテーマの小物が配された店内は2フロアに分かれており、レトロでお洒落な雰囲気。ディナーの予算は、たっぷり食べて、飲んでも3,000~4,000円程度。
by Robb Satterwhite