東京のレストランガイド
  • 東京ジャズ喫茶巡り
東京ジャズ喫茶巡り

ジャズ喫茶は日本ならではのユニークなカフェ形態であろう。客はミュージシャンのライブ・パフォーマンスではなく、CDあるいはアナログ盤から再生されるジャズをお酒やコーヒーを楽しみながら鑑賞する目的でお店に赴くのだ。

かつては私語厳禁の店も少なくなく(今でも数件残っている)、禅寺の修行僧の如く、ひたすらストイックにジャズに対峙する客が店内の大半を占めていた。だが、時代の変遷とともに、リスナーの質も変わり、ジャズ喫茶のスタイルも時の流れに歩み寄るように少しずつ変化を見せ始めた。レストランのメニューと比較しても遜色のない美味しい料理を供する店や、女性がランチタイムに気軽に入れる店も増えつつある。

しかし、今も昔も変わらないのは、こだわりの良質なサウンド・システムとジャズの生き字引のような魅力的なマスターたちである。さあ、たまにはアイポッドのイヤホンを外して、ジャズ喫茶に出掛けよう!

Big Boy (神保町)
イエローのエントランス、ブラッスリー風の内装、気持のよい陽の光がさんさんと差し込む明るい店内、Big Boyは、従来のジャズ喫茶とは対極の雰囲気である。

選曲は新旧織り交ぜた内容。オーディオのチューニングがピアノに合わせてあるとのことで、この店で聴くピアノ・トリオの演奏は格別。ランチタイムには、美味しいサンドウイッチ(BLTとチキンの2種類。ドリンク付きで1,100円)目当ての近隣のOLの姿も多数見掛ける。店内では、ジャズ・グッズ(CD, DVD等)のトレードも行われており、ジャズ・ファンの交流の場ともなっている。夜7時からのバータイムでは、簡単なおつまみ(ソーセージ、ポテトのブルーチーズ和え等)も楽しめる。

神保町駅A7出口より徒歩約2分。(カード利用不可) [店のデータ]
Jazz喫茶 映画館(白山)
映画撮影用の照明、ヨーロッパ、日本のアンティークの家具やミシン台が配された店内の内装は、どこか、レイモンド・チャンドラーの小説に登場する50年代の探偵事務所を思い起こさせるムード。マスターは、ドキュメンタリー映画の監督も務めている才人。

エリック・ドルフィーの大ファンらしく、メニューにはドルフィーーの「ラスト・デイト」のジャケットが使用されている。セロニアス・モンクのピアノの音に合わせて、美形の飼い猫がスイングしながら(?)身繕いを整えている姿はまるで映画の一場面のよう。

サイフォンで淹れるコーヒー(500円) は、大変美味。ウィスキー、焼酎のリストも充実しており、夜はパスタや野菜炒め等の食事も楽しめる。都営三田線白山駅A3出口より1分。 [店のデータ]
喫茶去(神保町) 閉店
ジャズ・ファンのみならず、コーヒー好きにも是非訪れてほしい店。注文を聞いてから豆を挽くこの店のオリジナルブレンド(3種類:各600円)は絶品!古い下町の民家を改造した店内は昭和の雰囲気たっぷりで、歩く度に木製のフローリングが軋む音がするのはなんともノスタルジック。アナログ、CD共に比較的静かな音量で音楽が再生されており、見事にこの店のムードとマッチしている。夕暮れ時に聴くクリフォード・ブラウンのリリカルなトランペット・ソロは、たまらなく切ない気分にさせてくれる。

朝7時から11時まではモーニング・サービスもあり、トーストと美味しいコーヒーが楽しめる。中国茶(600円〜)の種類も大変豊富。残念ながら夜のフードメニューは、ケーキ類以外にはないが、秋田の地ビール、あぐらビール(川反ラガー)が飲めるのは嬉しい。2階席は貸し切りパーティーも可能。

神保町駅A4出口から出て白山通りの裏手。月-金 :7:00-21:00, 土:12:00-21:00, 日:12:00-18:00。 [店のデータ]
ナルシス(新宿)
新宿歌舞伎町のコマ劇場から徒歩2分ほどの猥雑なエリアに位置するロケーションはお世辞にもいい環境とは言えないが、ナルシスは、かつてのイーストビレッジのカフェを彷彿とさせるようなムードのスポットだ。小体な店だが、オーナーが手ずから生けた花々が美しくカウンターに飾られ、アフリカ風の椅子と机が配された店内は居心地満点。

選曲は最新のヨーロッパのフリージャズから開業(1950年代から営業)以来プレイしている貴重なアナログ盤コレクションまで充実の内容。気さくなママは、リクエストにも快く応じてくれる。イギリス製のスピーカー、グッドマンで再生されるコルトレーンは圧巻。コーヒー(500円)も美味だが、今ではあまり見られなくなってしまった、小瓶で供されるキリンビール(750円)も嬉しいサービス。チャージはなし。 [店のデータ]
DUG(新宿)
ご存知、村上春樹の代表作、「ノルウエイの森」にも登場する老舗のジャズ喫茶。

煉瓦造りの落ち着いた色調の内装は、ベルギーのビア・パブを思わせる。カフェタイムは、少々苦めのコーヒー(420円)を飲みながら、のんびりとJazzを楽しむ客が多いが、夜は一転、ビバップが鳴り響く店内に老男若女、あらゆるタイプの客が楽しげに語らっているのは何ともいいムード。週末は入店を待つ客が列を成していることもある。

店内に飾られているオーナー、中平穂積氏が撮影したミュージシャンのポートレート(モンク、コルトレーン、マイルス等々)は必見。ビール(ヒューガルデン等のヨーロッパのビールもあり)、オリジナルカクテルの種類も豊富。比較的広いスペースの店内だが、地下のせいか少々煙が気になるのが唯一の難点。夜のテーブルチャージは、530円。場所は、靖国通り沿い、アドホックビル隣 [店のデータ]
サムライ(新宿)
店内に足を踏み入れると目に入る何千体もの招き猫に圧倒されるが、マニアックなムードは一切なくサービスもとてもフレンドリーだ。カウンター席、テーブル席がゆったりとしたスペースに配された店内は煙草の煙とは無縁。マスターは、ジョニー・グリフィンのファンらしく、アナログ盤が多数飾られている。

フード、ドリンク共に価格設定はリーゾナブルだが(ビール、バーボンは、680円〜)、料理(ピッツア、パスタ、焼きそば等)のレベルは高い。定期的に俳句のイベントも行われている。チャージは、300円(21時まで)、それ以降は500円。場所は甲州街道沿い。

土曜日はカフェタイム(15:00pm-18:00pmもあり)。 [店のデータ]
Mary Jane (渋谷)
様々なジャズがかかるが、特にアメリカ、ヨーロッパの新しいアーティストのCDはセンスがいいものが多い。特筆すべきはフード・メニューの充実ぶりで、週替わりのスープ、リゾットは大変美味。ランチタイムのパスタセット(5種類。飲み物込みで1,000円)も充実の内容。

落ち着いた緑色の椅子が配された店内は広々としており、グループで訪れてもジャズを楽しみながら、ゆっくりと食事をすることができる。夜のテーブルチャージは、500円。場所は、渋谷駅南口から徒歩3分。 [店のデータ]
岡部 光
Bookmark and Share
東京のレストランガイド 東京でちょっと一息 関西のレストランガイド
地図 プライバシー