気さくな雰囲気の居酒屋。この店は絶品のほうとうを供することで知られている。ほうとうとは、平打ち麺をカボチャ等の野菜と共にバターのような味噌ベースのスープで頂く山梨の郷土料理である。東京にもほうとうを食べられる店はあるだろうが、地元山梨の本場の味とは比較にならないだろう。スープは濃厚で味わい深く、新鮮な山菜がふんだんに使われている。小作には14種類のほうとうのほか、居酒屋メニューにマッチするドリンクメニューも充実している。
ほうとうは、鉄製の大釜で供される。豚肉を出汁に使った濃厚なスープには、厚切りのカボチャ、白菜、ニンジン、山菜、さやえんどうがたっぷりと入っている。オプションとして、豚肉、牛肉、カモ肉、すっぽん、キノコ類、カキ、イノシシ、熊肉を追加することもできる。熊肉のほうとうは、なかなか興味深い一品だ。少々風変わりな味がする一方、野趣にも富んでおり、肉質は脂っぽく歯ごたえがある。個人的には、カモや猪肉の方が、ほうとうにはフィットするように思える。
この店では、鹿肉の刺身(テーブルに供される間際に解凍されているので、食べごろに解けるまで待たなければならない)や馬肉のお寿司等の珍しい料理も食べられる。馬肉のお寿司は、馬の異なる部位3箇所をお寿司用にカットしたもので、ショウガとニンニクと共に頂く一品だ。歯応えがあるが、大変美味である。刺身や寿司にマッチする地酒や地元山梨産のワインもグラスでオーダーできる。テレビがつけっぱなしにされ、古い農家のような内装が施された店内は、まさに、サラリーマンの集う典型的な居酒屋といった雰囲気。少々、観光地化されている向きのある本店は、駅の南口側にあり(055-233-8500)、他に支店8店舗が県内に点在している。
JR甲府駅北口から徒歩2分(甲府北口駅前店)、新宿駅から電車で90分
by Robb Satterwhite